甘く苦く君を思う
渚のことは何よりも大切。
親としてしてあげられることはなんでもしてあげたい。
きっと昴さんのご両親だってそうだったんじゃないかと最近になって思うようになった。
跡継ぎの彼にできるだけ苦労をかけないように結婚相手を選びたかったに違いない。そのお眼鏡に私が叶わなかっただけだ。
私だって彼の重荷になりたくはない。彼に幸せな道を歩いていってほしいと今は願っている。
あの時置いて行かれたお金は手をつけずに封筒に入ったまま引き出しの奥にしまわれている。返そうと思ったが、あのままだ。
もちろんいただくつもりも使うつもりもなかったが、連絡できずにいた。きっと連絡をしてしまったら私のことを探られるのではないか、もしも渚の存在が見つかってしまったらと思うとこのままが1番いいのではないかと思った。
「ままー、じぃじのケーキ。食べる」
ハッと我に帰ると渚に頷き、お誕生日の歌を歌い蝋燭の火を消した。
あまりにかわいい出来のケーキに、何枚も写真を撮ると渚に早く切るよう催促される。渚にはまだおいしいって味の方が魅力的なのだろう。笑いながら人数分にカットし楽しい一日を過ごした。
親としてしてあげられることはなんでもしてあげたい。
きっと昴さんのご両親だってそうだったんじゃないかと最近になって思うようになった。
跡継ぎの彼にできるだけ苦労をかけないように結婚相手を選びたかったに違いない。そのお眼鏡に私が叶わなかっただけだ。
私だって彼の重荷になりたくはない。彼に幸せな道を歩いていってほしいと今は願っている。
あの時置いて行かれたお金は手をつけずに封筒に入ったまま引き出しの奥にしまわれている。返そうと思ったが、あのままだ。
もちろんいただくつもりも使うつもりもなかったが、連絡できずにいた。きっと連絡をしてしまったら私のことを探られるのではないか、もしも渚の存在が見つかってしまったらと思うとこのままが1番いいのではないかと思った。
「ままー、じぃじのケーキ。食べる」
ハッと我に帰ると渚に頷き、お誕生日の歌を歌い蝋燭の火を消した。
あまりにかわいい出来のケーキに、何枚も写真を撮ると渚に早く切るよう催促される。渚にはまだおいしいって味の方が魅力的なのだろう。笑いながら人数分にカットし楽しい一日を過ごした。