甘く苦く君を思う
仕事帰りの夜道で偶然会えば、必ず沙夜を駅まで送ってくれた。
彼は自分の仕事についてあまり多くを語らなかったが、私の仕事について興味を持ってくれていることが伝わってくる。
「どうしてパティシエールになったんですか?」
ふとそんな質問を彼が投げかけてきた。
「そうですね。子供の頃、母が作ってくれたショートケーキがすごく美味しくて。いつかは自分も誰かの笑顔のために作りたいって思ったんです」
少し気恥ずかしいが、彼にはなんとなく素直な気持ちを口にできた。
「そう言うの、いいですね」
彼はそう呟くと少し目を伏せた。その瞬間だけ、いつもの彼とどこか違い、翳りを感じたように思った。
なぜだろう、そう思っているがなかなかそれを口に出すことができなかった。
私の感じた違和感をすぐに消し去るように彼はいつものように話し出してしまった。
たまたま会うと一緒に帰るだけの関係だったが、いつの間にか私は店を出るときょろきょろしてしまい、彼がいるのではないかと探してしまっていた。私の心は徐々に、でも確かに彼に傾いていった。
彼は自分の仕事についてあまり多くを語らなかったが、私の仕事について興味を持ってくれていることが伝わってくる。
「どうしてパティシエールになったんですか?」
ふとそんな質問を彼が投げかけてきた。
「そうですね。子供の頃、母が作ってくれたショートケーキがすごく美味しくて。いつかは自分も誰かの笑顔のために作りたいって思ったんです」
少し気恥ずかしいが、彼にはなんとなく素直な気持ちを口にできた。
「そう言うの、いいですね」
彼はそう呟くと少し目を伏せた。その瞬間だけ、いつもの彼とどこか違い、翳りを感じたように思った。
なぜだろう、そう思っているがなかなかそれを口に出すことができなかった。
私の感じた違和感をすぐに消し去るように彼はいつものように話し出してしまった。
たまたま会うと一緒に帰るだけの関係だったが、いつの間にか私は店を出るときょろきょろしてしまい、彼がいるのではないかと探してしまっていた。私の心は徐々に、でも確かに彼に傾いていった。