甘く苦く君を思う
二人の時間は穏やかで優しいものだった。
閉店後に昴が迎えに来てくれ、深夜までおしゃべりしたり、休日には散歩をしたり。
どんな場所でも彼と一緒なら心が満たされていった。
今日も閉店時間ギリギリに彼はお店にやってきた。周りのスタッフには何も言っていないが、当然のようにみんな彼がきたことを知らせに私を呼びに来る。
「今日のおすすめは?」
「もう……私のおすすめは売り切れです」
彼の言うおすすめは私が作ったものはどれか、と言うこと。今日私が作ったのはシュークリームでこの時間にはすでに完売していた。すると彼は残念そうに、「ではパティシエール特製のものを」と言ってくる。すでに他のお客さんもいないため、周囲はその様子を見てクスクスと笑っていた。私は肩をすくめると彼のために私の好きなベリー系のムースとフィナンシェを乗せてあげた。
「うん、このムースは口に入れた瞬間ふわっと消える感じが素晴らしい。ベリーの酸味もあるが、果物そのものの風味が強くて美味しいな」
まるで専門家のように話す楽しげな彼の様子に少しほっこりさせられた。
「もう終わる?」
急に小声になり私にそっと話かける。私が小さく頷き「この最後のお客様が帰れば30分くらいで帰れるよ」と言うと笑っていた。
彼は店を出るといつもの街灯の下で待っている。私も急いで片付けるとお店を飛び出していった。
彼は出張も多く、実際に付き合ってみると会えない日も多かった。私が土日休みの仕事でないのも多く会えない要因だった。
閉店後に昴が迎えに来てくれ、深夜までおしゃべりしたり、休日には散歩をしたり。
どんな場所でも彼と一緒なら心が満たされていった。
今日も閉店時間ギリギリに彼はお店にやってきた。周りのスタッフには何も言っていないが、当然のようにみんな彼がきたことを知らせに私を呼びに来る。
「今日のおすすめは?」
「もう……私のおすすめは売り切れです」
彼の言うおすすめは私が作ったものはどれか、と言うこと。今日私が作ったのはシュークリームでこの時間にはすでに完売していた。すると彼は残念そうに、「ではパティシエール特製のものを」と言ってくる。すでに他のお客さんもいないため、周囲はその様子を見てクスクスと笑っていた。私は肩をすくめると彼のために私の好きなベリー系のムースとフィナンシェを乗せてあげた。
「うん、このムースは口に入れた瞬間ふわっと消える感じが素晴らしい。ベリーの酸味もあるが、果物そのものの風味が強くて美味しいな」
まるで専門家のように話す楽しげな彼の様子に少しほっこりさせられた。
「もう終わる?」
急に小声になり私にそっと話かける。私が小さく頷き「この最後のお客様が帰れば30分くらいで帰れるよ」と言うと笑っていた。
彼は店を出るといつもの街灯の下で待っている。私も急いで片付けるとお店を飛び出していった。
彼は出張も多く、実際に付き合ってみると会えない日も多かった。私が土日休みの仕事でないのも多く会えない要因だった。