甘く苦く君を思う
渚はカウンターの中に入ってくると私の袖を掴む。
この不穏な空気に子供ながらに感じるものがあったのだろう。
溢れ落ちた涙をさっと拭うと、渚を抱き上げた。ぎゅっと抱きしめると、渚もしがみつくように私に体を寄せてきた。
「まま?」
「ごめん、大丈夫だよ。大丈夫」
まるで自分自身に言い聞かせるように大丈夫と繰り返す。その声は少し震え、涙は止めることができなかった。
家に帰った後もどこか渚は落ち着かず、無意識なのだろうが私から離れようとしなかった。
ようやく寝かしつけ、その寝顔を見ていると先ほどの両親の謝罪の言葉が頭の中に何度も浮かんできた。
申し訳なかった……その言葉をずっと待ち望んでいたはずなのに、それでも心はすぐに受け入れることを拒んでいた。
あの時どれだけ傷ついたか、その事実は変わらない。
彼の両親にも事情はあったのだろうが、それに振り回され、私の人生が変わってしまったことは事実だ。
昴さんがこれからは私たちを守ると言ってくれて少しだけ心が揺らいだ。でも両親を正面から見てあの頃の気持ちが蘇ってきた。また裏切られたらと背筋が冷たくなる。
彼のまっすぐな目を思い出すたびに彼の言葉を信じたい自分もいる。
このどうしようもない色々な感情に私はおかしくなりそうだ。
この不穏な空気に子供ながらに感じるものがあったのだろう。
溢れ落ちた涙をさっと拭うと、渚を抱き上げた。ぎゅっと抱きしめると、渚もしがみつくように私に体を寄せてきた。
「まま?」
「ごめん、大丈夫だよ。大丈夫」
まるで自分自身に言い聞かせるように大丈夫と繰り返す。その声は少し震え、涙は止めることができなかった。
家に帰った後もどこか渚は落ち着かず、無意識なのだろうが私から離れようとしなかった。
ようやく寝かしつけ、その寝顔を見ていると先ほどの両親の謝罪の言葉が頭の中に何度も浮かんできた。
申し訳なかった……その言葉をずっと待ち望んでいたはずなのに、それでも心はすぐに受け入れることを拒んでいた。
あの時どれだけ傷ついたか、その事実は変わらない。
彼の両親にも事情はあったのだろうが、それに振り回され、私の人生が変わってしまったことは事実だ。
昴さんがこれからは私たちを守ると言ってくれて少しだけ心が揺らいだ。でも両親を正面から見てあの頃の気持ちが蘇ってきた。また裏切られたらと背筋が冷たくなる。
彼のまっすぐな目を思い出すたびに彼の言葉を信じたい自分もいる。
このどうしようもない色々な感情に私はおかしくなりそうだ。