英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「……彼女は自分の意思でなく現状に放り込まれたんだ。ゆくゆくは自由にしてやるのが彼女のためだろう」

「ですが、彼女にとって今以上に恵まれた人生など、ほかにないかと」
「そうだよ、あっちもここにいたいと思ってるよなぁ、絶対」

 ふたりは、我々夫婦の離婚には反対のようだ。まさか契約獣である彼らがアレクシアの身の上を案じる日がくるとは予想もしなかった。
 言葉を失っていると、ロキが特徴的な丸い瞳でじっと見つめてくる。

「ルシウス様、珍しく弱った顔をしてる。迷ってるのか?」

 自分はどんな表情をしているというのだろう。彼らの反応を見るに、慣れない心労が表に表れたのかもしれない。それくらい、今回のことは俺の不得手とするものだった。
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