英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「そうでしたか。原因をしっかりと突き止められたのなら、よかったです」

 なんて余裕を持った返答ができるくらいには、わたしも成長している。それに対し、姫は眉を下げて微笑んだだけで、なにも言い返してはこなかった。追求するのは野暮なので、穏便に視線をはずして幕を引く。

 すると、隣でかすかに笑ったように見えたルシウス様が、片手を上げて使用人に合図を送った。速やかに給仕係が動き出し、料理の配膳が行われていく。

(わぁ……なんて贅沢なの!)

 調理長のジョニーさんが監修した最高のフルコースは、期待のはるか上をいくものだった。自室に提供されていた料理も十分に美味しかったが、本格の場と比べると、やはり印象からして違う。芸術的に盛りつけられた料理は出来立てで温かく、風味が引き立っている。
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