英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
ついつい会話を忘れ、食を味わうことに集中していると、ふとルシウス様が気になる話題に触れたので、耳をそばだてた。
「崩落した大橋の修理も進んでいます。もう間もなく完成し、確認が済み次第、国元にお戻りいただけると思います」
「えっ? そう……なのですか……」
それを聞いたイレーヌ姫は、食器を持つ手を止め、悄然とうつむいた。
「母国に戻っても、わたくしの居場所があるのかどうか……。元首である父はとても厳格な人物です。目的を果たせなかったわたくしを、負け犬と罵り罰を与えるかも……」
瞳を潤ませ訴える彼女は、この期に及んで自分の国には帰りたくないと言っている。
見え透いた演技であっても、紳士的なルシウス様がほだされてしまうのではないか──そんな不安を覚えていると、意外な回答が耳元を過ぎていった。
「崩落した大橋の修理も進んでいます。もう間もなく完成し、確認が済み次第、国元にお戻りいただけると思います」
「えっ? そう……なのですか……」
それを聞いたイレーヌ姫は、食器を持つ手を止め、悄然とうつむいた。
「母国に戻っても、わたくしの居場所があるのかどうか……。元首である父はとても厳格な人物です。目的を果たせなかったわたくしを、負け犬と罵り罰を与えるかも……」
瞳を潤ませ訴える彼女は、この期に及んで自分の国には帰りたくないと言っている。
見え透いた演技であっても、紳士的なルシウス様がほだされてしまうのではないか──そんな不安を覚えていると、意外な回答が耳元を過ぎていった。