英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 わたしが纏っていたのは、これまた記憶にないド派手な紫のフォーマルドレス。ウエストを絞る代わりに胸元は大きく開き、丈の長いスカートには深くスリットが入って煽情的に見える。

 おまけに地毛とは思えない赤椿色をした髪が肩にかかり、腰のあたりにまで長くたなびいて、まるでアニメキャラのコスプレをしているみたいな装いだ。

(わたし、なんでこんな格好を……いったいどうなってるの?)

 うろたえるわたしを見て、男性は眉をひそめながら続けた。

「――アレクシア。離婚することに異論はない。だが、向こう三カ月は我慢してもらう」

「え……?」

「もともとこの婚姻は、夫婦で式典に出席するようにと形式的に整えられたものだ。それに、王命による政略結婚を一カ月で破棄するなど、できようはずもない」
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