英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
(王命? 政略結婚?)

 古臭いイメージの単語が引っかかったが、言いたいことはなんとなく伝わってくる。
 話題は結婚したばかりのどこかの夫婦の別れ話。いくらなんでも仲人を立てておいてすぐに別れるのでは恥ずかしすぎるし、面目が立たないと言っているのだ。

(一カ月で破局するくらいなら、なんで結婚したのかしら……あ、政略結婚と言っていたわね。離婚するのは、この人と奥様の話? だとしたら、こんなに素敵なイケメンを逃すなんて、もったいない。わたしだったら、大抵のことは我慢できるのに!)

 なんて他人事に思いながら空想にふけっていると、真面目に聞いているのかと責めるような目でじろりと睨まれた。

「期待をしていなかったとはいえ、俺にも我慢の限界というものがある。妻として最低限の役目は果たせ。残りの期間を平穏に過ごしたくばな……。わかったか?」
「は、い……。……?」

 気圧されて思わず返事をしてしまったが、なぜわたしが説教をされる流れになっているのだろう。正直なところ、すべてがちんぷんかんぷんだ。
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