英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「お気持ちは、わかります……。でも、ご心配されるようなことは起こらないと、お伝えしておきます」

 頭のてっぺんから足の先まで、観察されているのがわかった。ふだん不法者の取り締まりも行うという彼の職業柄だろうか、おのずと尋問されているような気になってくる。

 怯えていては、かえって逆効果だ。姿勢を正して毅然とした態度でいると、ふと圧を消した彼が、目元を緩めて呟いた。

「やっぱり好みだな……」
「え?」

 意外な言葉を聞いた気がするが、空耳だろうか。
 やがて彼は、自己紹介をするかのように、ウキウキと自分語りに入った。
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