英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「ルシウスと僕は幼なじみでね。騎士の見習い時代に同期だったし、剣の師匠も同じで。まぁ師というのは、あいつの父親なんだが……。師匠は、離宮に追いやられていた僕のことを訓練に連れ出して、自分の息子のように育ててくれた。生きるために強くなれと――グレイス殿とルシウスはもちろん、こうして今があるのは彼ら一家のおかげなんだ」

「そう、でしたか……」

 ルシウス様や、彼の家族の話を聞けるのは嬉しく、興味深くもあった。考えてみれば、わたしの知識は書物や人づてによるものばかりで、この家のことをほとんど知らない。

「君たちの結婚には、僕は反対だった。レオパルド家が国に貢献したことを思えば、酷い仕打ちだと思ったからね。遠征先から手紙で父王にも上申したんだが、公爵の位を叙すにあたり貴族間のバランスがどうのと言って、聞き入れてはくれなかった。侯爵である君の父と王太子の後押しとあらば、よっぽどのことがない限り、覆すことは難しい」
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