英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「そういうことなら、わたくしも協力するわ。元妻の体面が保たれるよう配慮するし、十分な慰謝料を用意しましょう。それで離婚はいつ頃を予定しているのかしら!?」

 食い入るように問いかけられても、頭の中は泥水のように淀んで反応できない。
 強い吐き気に襲われて、足元から崩れそうになった、そのとき――。

「離婚はしません。俺の妻は彼女だけです」
「……え?」

 わたしの間の抜けた声に、グレイス様とリアム殿下も同様の反応を重ねた。

「母上とリアム殿下は、迎賓館にお戻りください。アレクシア、話がある。……来てくれ」

 呆気にとられる母親と友人を残し、ルシウス様はその場からわたしを連れ去った。

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