英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 ルシウス様がわたしの背中に手を回し、コルセットの紐と戦っている間、こちらも彼の脱衣の手伝いをした。シャツのボタンを上からはずしていくと、見事な筋肉が垣間見える。ぱんぱんに張った胸筋に、くっきりと割れた腹筋。均整の取れた体つきは何度見ても美しくて、この世のものとは思えない。

 思わず手を止めて見惚れているうちに、わたしの肩からドレスとシュミーズが一緒にずり落ちた。気が緩んでいたわたしは小さな悲鳴を上げながら、両腕で肌を覆い隠した。

「アレクシア。隠さないで――全部見せて」
「で、でも……」

 できることなら明かりを落としてほしい。夫婦の間柄であっても、裸を見られるのはやっぱり恥ずかしすぎる。

 フルフルと首を振るわたしに、困ったような、けれど楽しげな笑いが降ってきた。それから、あやすような口づけが額に注がれる。

「……可愛いな、アレクシア」
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