英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「ルシウス様……わたしも」

 計り知れないほどの熱量を感じて、喉が詰まった。狂おしいほどの欲求が湧き上がり、もっと深い繋がりを求めて両手を前へと伸ばす。

 血管の浮き出た熱い腕に掻き抱かれると、あとは翻弄されるばかりになった。うわ言のように何度も愛する人の名を呼び、呼ばれて――。

 嵐が過ぎたあとには、思いを遂げられたことへの喜びと、深く色を増す愛情が心を満たしていた。

     *

 ルシウス様と愛を交わし合ったあと、しばらく彼と並んでベッドから出ずに過ごした。
 太くて硬い腕を枕に、気怠さの残る体の熱を冷ましながら、うっとりと身を任せる。
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