英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 心細さは見せずに、明るく声をかけた。

「わたしのことなら、気にしないでください」
「だが、ここに来る途中にも、君は男たちの目線を惹きつけていた。近づいてくるふらちな輩がいるかもしれない」

 あれはルシウス様に向けられたものなのにとおかしく思いながら、笑って答えた。

「少しの間ですし、大丈夫ですよ。ここを離れずに待っていますから」

 そっと寄り添えば、彼もわたしを安心させるように肩を抱いてくれる。
 それから廊下にいる警備兵に念入りな警護を命じ、案内人と一緒に部屋を出ていった。
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