英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「さぁ、もうひと仕事、がんばらなくちゃ」
隙間時間に稼げるチラシ配りのアルバイト。木枯らしが吹く中、貸しロッカーから取り出した紙の束を抱えて近隣の住宅を回り、郵便受けにポストインしていく。
フルタイム勤務のあとのダブルワークなんて、普通の人間がすることじゃない。なんなら別件で内職も引き受けているからトリプルワーク。きつくとも、そうまでしないと生活が回らないのだから仕方ない。
仕事を済ませて自宅アパートに帰り着く頃には、日もとっぷりと暮れ、足は棒のように固まっていた。
「お父さん、ただいま……」
温かくした居間でのんきにテレビを観ていた父が、顔を上げる。
「おかえり、香澄。鍋にカレー作ってあるぞ」
外の廊下までスパイスの匂いが漂っていたので、そうだろうと思っていた。
「ありがとう。お腹ペコペコだったから、助かる……」
「今日から新しい職場で働いてるんだろう? 栄養つけないとと思って奮発したんだ」
「えっ?」
隙間時間に稼げるチラシ配りのアルバイト。木枯らしが吹く中、貸しロッカーから取り出した紙の束を抱えて近隣の住宅を回り、郵便受けにポストインしていく。
フルタイム勤務のあとのダブルワークなんて、普通の人間がすることじゃない。なんなら別件で内職も引き受けているからトリプルワーク。きつくとも、そうまでしないと生活が回らないのだから仕方ない。
仕事を済ませて自宅アパートに帰り着く頃には、日もとっぷりと暮れ、足は棒のように固まっていた。
「お父さん、ただいま……」
温かくした居間でのんきにテレビを観ていた父が、顔を上げる。
「おかえり、香澄。鍋にカレー作ってあるぞ」
外の廊下までスパイスの匂いが漂っていたので、そうだろうと思っていた。
「ありがとう。お腹ペコペコだったから、助かる……」
「今日から新しい職場で働いてるんだろう? 栄養つけないとと思って奮発したんだ」
「えっ?」