英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「あの……家同士が仲が悪いのはわかりますが、そこまでしなくても……」
「なんだと?」
「夫とは思ったよりも気が合って、仲良くやれそうなのです。だから」
「ふざけたことを言うんじゃない!」

 顔色を変えた父が、バンッとテーブルに拳を打ちつける。外にいる兵士の存在を気にしてやや勢いを抑えつつも、激しく叱責してきた。

「ルシウスが今日、公爵となれば盤石な地位を手にすることになる。おまえが公爵夫人となり、あの家ごと取り込めるなら一石二鳥とも思ったが、もう時間に猶予はない。『あの方』が焦りはじめ、返済を急かされているのだ」

「返済というとお金が必要なのですか? うちは潤沢な鉱山があるはずじゃ……」
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