英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「それで、首尾はうまくいっていると思っていいのだな?」

 不穏な流れに嫌な予感を覚えながら、聞き返した。

「ええと……首尾というのは?」
「レオパルド家を乗っ取る話のことだ。あいつを篭絡して寝首を掻く計画だったろう。途中から連絡もせずに、うまくいっていないのかと心配していたが、奴をたらしこむことには成功したようじゃないか。おまえは見た目だけはいいからな。我が娘として誇らしいぞ」

 あまりのことに、喉がつかえたように言葉が出なくなった。
 この男はなんて恐ろしいことを言い出すのか。寝首を掻くだなんて……ただ身分を釣り合わせるだけの、政略結婚ではなかったのだろうか。
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