英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「ほう、夫婦同伴で出席を言いつけておきながら、そこまでは気が回らなんだ。許そう。英雄の妻たる者よ、前に来なさい」
王の言葉に従い、わたしは腰を上げた。とにかく心を落ちつけようと努める。
これは光栄なことであり、拒む必要はない。余計なことは考えずに、夫の栄誉に花を添えると思えばいいのだ。
いちど深呼吸をして、何歩か足を前に踏み出した。すると、
「お待ちください、父上!」
甲高い男性の声が響いて、黒づくめの兵士を引き連れた異色の集団が、大扉から踏み込んでくる。先頭にいるのは、高貴な礼装に赤いマントを身に着けた金髪碧眼の青年だ。
彼らは上座の手前まで突き進んでくると、そこに警戒して立つルシウス様から少し距離を保った場所で立ち止まった。
王の言葉に従い、わたしは腰を上げた。とにかく心を落ちつけようと努める。
これは光栄なことであり、拒む必要はない。余計なことは考えずに、夫の栄誉に花を添えると思えばいいのだ。
いちど深呼吸をして、何歩か足を前に踏み出した。すると、
「お待ちください、父上!」
甲高い男性の声が響いて、黒づくめの兵士を引き連れた異色の集団が、大扉から踏み込んでくる。先頭にいるのは、高貴な礼装に赤いマントを身に着けた金髪碧眼の青年だ。
彼らは上座の手前まで突き進んでくると、そこに警戒して立つルシウス様から少し距離を保った場所で立ち止まった。