英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
それでもルシウス様は剣の柄から手を放さず、王太子ほか影の者たちと睨み合いを続けている。一触即発の危機に、無力なわたしは息もできずに見守ることしかできない。
唯一、その場を収めることのできる権力を持つ声が、ようやく間に入った。
「ええい静まれ! 冷静にならぬか!」
王の一喝をもって双方が力を抜き、殺気立った空気がわずかに緩んだ。
おかげで最悪の事態は回避されたが、逆境には変わりない。このままでは悪者に祭り上げられるばかりだ。ここは仕切り直し、当事者と関係者のみで話し合えないだろうか。
ルシウス様も同じように考えたのか、体の向きを変え、王に申し入れた。
「国王陛下。公国の使者が言うように姫の不興を買っていたとしても、このルシウスがあちらに赴き、謝罪をすれば済むことと存じます。公国との取り次ぎを願います」
唯一、その場を収めることのできる権力を持つ声が、ようやく間に入った。
「ええい静まれ! 冷静にならぬか!」
王の一喝をもって双方が力を抜き、殺気立った空気がわずかに緩んだ。
おかげで最悪の事態は回避されたが、逆境には変わりない。このままでは悪者に祭り上げられるばかりだ。ここは仕切り直し、当事者と関係者のみで話し合えないだろうか。
ルシウス様も同じように考えたのか、体の向きを変え、王に申し入れた。
「国王陛下。公国の使者が言うように姫の不興を買っていたとしても、このルシウスがあちらに赴き、謝罪をすれば済むことと存じます。公国との取り次ぎを願います」