英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「うむ……そうだな……」

 王の決断を待たずして、公国の使者がやかましい鳥のように騒ぎ立ててくる。

「その必要はございません! 調べは公国で行えば済むことで……!」

 するとルシウス様は、使者をギラリと睨みつけ、言った。

「――黙れ。その方、命が惜しくば今すぐに公国に戻り、事実確認を取るよう公爵に伝えよ。それからイレーヌ姫にもだ。我が妻に危害がおよぶ前であれば、空言を責めはしない。だがもし嘘を突き通すようなら、このルシウスが地の果てまでも追い詰め、報いを受けさせてやるとな」

 猛虎のごとき気迫に圧倒されて、ついに使者も口をつぐんだ。しかし、

「やめよ、ルシウス。おまえ個人の話ではないのだぞ」

 見かねた王がそうルシウス様をたしなめて、ひとつの折衷案を出す。
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