英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
予想もしない残酷な物言いに、血の気が引いていく。それではわたしは、生きた死人になってしまう。一生、身を隠して過ごせというのか。こんな浅慮な人が将来は王になるなんて――この国の未来は大丈夫なのだろうか。
そこでごくりと唾を飲み下したことが、肯定と取られたのかもしれない。王太子と父は満足げに頷き合うと、わたしを眼中から外に追いやった。
「これでヤツもおしまいですな。王太子殿下、念願叶いました折にはこのルドルフへの見返りも、何卒お忘れなきよう」
「心配するな。約束どおり借金は帳消しにし、港湾の一部の独占使用権を与えてやる。新しい商売もさぞ捗ることだろう。……そうだ、議会のメンバーに根回しをしておくか。行くぞ、ルドルフ」
王太子は思い出したように立ち上がると、意気揚々と部屋を出ていった。
あとに続くと思われた父は、扉の手前でいったん立ち止まると、なぜか踵を返して戻ってくる。もしや父親らしい言葉をくれるのかと思い、おとなしく待った。さっきも庇ってくれたし、実は娘に対する情があるのではと期待したのだ。すると――。
そこでごくりと唾を飲み下したことが、肯定と取られたのかもしれない。王太子と父は満足げに頷き合うと、わたしを眼中から外に追いやった。
「これでヤツもおしまいですな。王太子殿下、念願叶いました折にはこのルドルフへの見返りも、何卒お忘れなきよう」
「心配するな。約束どおり借金は帳消しにし、港湾の一部の独占使用権を与えてやる。新しい商売もさぞ捗ることだろう。……そうだ、議会のメンバーに根回しをしておくか。行くぞ、ルドルフ」
王太子は思い出したように立ち上がると、意気揚々と部屋を出ていった。
あとに続くと思われた父は、扉の手前でいったん立ち止まると、なぜか踵を返して戻ってくる。もしや父親らしい言葉をくれるのかと思い、おとなしく待った。さっきも庇ってくれたし、実は娘に対する情があるのではと期待したのだ。すると――。