英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 同時にルシウス様が一足飛びに討伐対象との距離を詰める。いったん鞘に納めていた剣を流れるように抜き、魔獣の爪が王太子に届く前にそれを一太刀で切り伏せた。

 まさに電光石火。無血で叶った収束に、胸を撫で下ろしながら事態を見守る。

「……おまえに罪はないのだが。許せよ」

 剣を振り、魔獣の血を払ったルシウス様は、その剣先を今度は王太子に突きつけた。

「さてこの魔獣、なぜ王太子を狙っていたのか――説明を伺いましょう」

 誰を追求すべきかは、どの目にも明らかだった。

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