英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 すぐにロキ君とヒルダさんが外にいる魔獣を捕らえたという報が入り、目の前のことに集中できる環境が整った。

 廃墟と化した議会場に居残っているのは、わたしとルシウス様のほか、協力者であるリアム殿下、国王ならびに公国の使者、それに王太子だけとなっていた。

 重苦しい沈黙の中、震える声で切り出したのは王だ。

「王太子宮から魔獣が出たとはどういうことだ。いったいなにをしようとしていたのだ」

 王太子は視線を逸らし、ぶつぶつと呟いている。

「あれはまだ子どもだとブローカーが……今朝までは変わりなかったのに、なぜ……」

 魔獣は常識では測れない。檻の中で姿を小さく保ち、牙をむく時を待っていたのだ。
 国が受けた多くの被害を耳にしているはずなのに、そんなこともわからないなんて。
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