英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「僕から、よろしいでしょうか。此度の事件に関することです」

 王のそばに立つリアム殿下が、報告を申し出た。

「先だって用務で隣国を訪れた際、詳細な生態情報をつけて付加価値を上げた魔獣の子が闇市で取引されているのを発見しました。我が国でしか存在が確認されていない種で、明らかな密貿易です。流出元を探るため、魔獣の生態に詳しいレオパルド家の保有施設を訪ねたところ、出品されていた情報の部分は当該施設から盗まれたものと判明しました」

 その施設とは試験段階ゆえに公にはされておらず、名目は動物愛護を装いながら、実は魔獣の中でも無害であると証明された種の保護と研究を目的としたものだと、ルシウス様が耳打ちしてくれる。

(グレイス様とリアム殿下が館に来られたときに、ルシウス様に相談していたのはその関係のことだったんだわ……)

 リアム殿下はそんなわたしの心を読んだように頷くと、話を続けた。
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