英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「魔獣を他国と売り買いし、飼育しようとしていただと……?」

 王の声が震えていることから、その行為は重罪に値するのだろう。少し考えればわかる。特に魔獣の密輸は生態系や国の治安に大きく影響を及ぼすもので、王族が禁を破ったとなれば、それこそ大問題である。

「し、知りませんよ。なんのことだか……そうだ、ルドルフだ。その女の父親、ブラッドリー侯爵です。すべては金に困っていたあの者が企んだこと。私はそそのかされて……」

「言い訳はもういい。調べればわかることだ。リアム、特務隊を王太子宮に向かわせよ。それから王太子本人と、その影たちも拘束し、取り調べを行え」

 顔を紙のように白くした王がそう命じると、王太子は往生際悪く喚きはじめた。

「息子である私を信じないのですか!? クソッ……父上がそんなだから私が王としてふさわしくないなどとほざく輩が出てくるのです! だから私は力を得ようと……」
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