英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「甘酸っぱくて、美味しいです」
「俺も味見をしよう」

 そう言ったそばからキスが降りてきて、より甘い感触に身を委ねる。
 瞳を閉じて応えるとしっかりと体を引き寄せられ、余すところなく口中を蹂躙されてしまう。

 あっという間に全身の力が抜けていって、気づけば彼に支えられるがまま、立っているのもやっとの状態になっていた。

「甘いな」

 いったん唇を離した彼が熱のこもった瞳でわたしを見下ろし、ペロリと口端を舐めたのが、始まりの合図。
 そのままベッドになだれ込み、シーツの上に溶けた。

 口づけを交わしながら相手の衣服を剥ぎ取り、一糸纏わぬ姿となって抱き合う。
 互いにいつもより高ぶっている気がするのは、やはり初夜なるスパイスの影響か。
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