英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 中を覗いて、思わず歓喜の声を上げた。タイル張りの床の上にはゆったりと足を伸ばせる楕円形のバスタブが置かれ、たっぷりとしたお湯が張られている。湯面には赤い花びらが散らされ、耽美な雰囲気だ。

 手前に戻ってよく確認すると、台の上にタオルやバスローブも用意されていた。部屋つきのメイドはいないと言っていたが、最低限の準備はしてくれているらしい。

(ここはわたしの部屋だと言っていたし、勝手に入ってもいいのよね?)

 異世界でも日本と同じ入浴の文化があると知り、ホッとする。湯船のそばの壁には古銅色の蛇口が備えつけられ、使い勝手もよさそうだ。

 遠慮なくお風呂を使わせてもらうことにして、ドレスのボタンに手をかけた。ややこしいコルセットの紐を解くのに苦戦しながら、息苦しくてたまらなかった服と下着をすべて脱ぎ去る。
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