英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 そして続く言葉に、この事態を招いた部屋の構造上の問題を理解した。

「まったく、夫婦の部屋が繋がっているのも考えものだな。施錠の術が無効化した原因はわからないが、そういうこともあるのだろう」

 どうやら夫婦であるわたしたちの部屋は位置的に隣り合っていて、互いの寝室にある内扉で直接行き来できるようになっていたらしい。扉には鍵をかけていたはずが、なぜかはずれていたと。

(それって、わたしに非はないじゃない……)

 侮辱を受けたと気づいた瞬間、大きなショックを感じて、カッと頭に血が上った。勘違いされたままでは嫌だし、わたしにだってプライドはある。

「ち、違います! これは単なる事故で……。い、いくらあなたが格好いいからって、わ、わたしは初めて会う人と勢いでとか、そんな破廉恥なこと、絶対に無理ですから……!」
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