義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 でも、その『家族』という言葉が、私の胸をざわつかせた。

 隣に座る兄を見つめる。

「ん? どうした?」

 目を細め、ふわりと柔らかな笑みを浮かべる兄。

 その温かい眼差しも優しさも、家族だから向けてくれるのだろうか。
 大切な妹だから、そんなふうに笑ってくれるの?

 そう問いかけたかった……でも、言えない。

「ううん、なんでもない。ただ、私は幸せだなあって思っただけ」

「なんだよ、今さら気づいたのか?
 おまえは超絶幸せだぜ。こんなにいい両親がいて、さらにはこんなにイケメンで優しい完璧男子が兄なんだからな」

 その屈託ない笑顔に、胸がきゅっとなる。

 そう、私のお兄ちゃん……。

 私の好きな人は、家族であり、兄なのだ。


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