義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 これ以上待たせるわけにはいかない――そう思った私は、背筋を伸ばした。

「流斗さん!」

「は、はい」

 突然の大声に、彼も驚きつつ姿勢を正す。

「あの……返事を、したいと思います」

 一瞬、流斗さんが動きを止める。
 けれどすぐに状況を理解したのか、真剣な表情で私を見つめた。

「はい。聞かせてください」

 緊張からか、心臓が激しく音を奏でる。

 流斗さんの喉がごくりと動くのが見えた。
 彼でも緊張するんだ……あたりまえか。それだけ本気ってことだよね。

「――正直に言います。流斗さんのこと、まだ、本当に好きなのかよくわからなくて」

 告白されたときから、ずっと考えてきた。
 けれど、はっきりした答えはまだ出せないままだった。

「もちろん、好きなんです。でもそれは友達としてとか、兄の親友としての好きで……」

 流斗さんは静かに頷いた。

「前に流斗さんは、私の兄への気持ちを知っているって言いましたよね?」

 無言のまま、彼の視線が私を捉えて離さない。

「その気持ちを知っていても、ずっと私を想ってくれていたことが、すごく嬉しかったです。
 私も流斗さんを好きになれたら、どんなに幸せだろうって思いました」

 一度、深呼吸する。
 二人の間に、張り詰めた緊張が続く。

「わがままだって思われるかもしれませんが……それでも、流斗さんがいいって言ってくれるなら……」

 彼の真剣な眼差しが、胸をきゅっと締めつけた。


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