義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 リビングには、すでに皆がそろっていて、笑い声が部屋中に広がっていた。
 兄と父が楽しげに笑い合い、その合間に蘭が「うんうん」と相槌を打ちながら手を叩いてはしゃいでいる。
 流斗さんも柔らかな笑みを浮かべ、輪に加わっていた。

 キッチンでは、母が料理の手を止めることなく、ちらりとリビングに視線を向けて目を細める。

 そんな賑やかな空気の中に足を踏み入れると、蘭が私に気づいた。
 ぱっと目を輝かせ、小走りで駆け寄ってくる。

「唯、メリークリスマス! はい、プレゼント!」

 差し出された赤い包みを、私は慌てて受け取る。

「え、ありがとう。でも私、何も用意してないよ……」

「いいの、気にしないで。お祝いしたかっただけだから」

 にやにやと笑う蘭の顔を見て、ふと気になる。
 先ほどの流斗さんの様子といい、蘭のこの態度といい……もしかして、二人とも――。

「ね、蘭……もしかして」

 言い終える前に、蘭が堪えきれないように抱きついてきた。

「やっぱり! 咲夜さんとうまくいったんでしょ? おめでとう!」

「えっ、なんでわかるの?」

 思わず声が上ずる。
 まさか気づかれてたなんて……私、そんなにわかりやすかった?

「そんなの、あんたの顔見ればすぐわかるって。……よかったね」

 少し涙ぐんだ目で微笑む蘭に、私は照れながらも笑顔で「ありがとう」と返した。

 そうか……さっきから感じていた妙な空気、
 二人とも私とお兄ちゃんのことに気づいていたんだ。

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