義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 やがて、流斗さんが口を開く。

「咲夜、唯さんのこと、頼みましたよ。泣かせたら容赦しませんから」

 真顔でそんなことを言われて、兄はちょっと面倒くさそうに眉をひそめた。

「わかってるよ、何回言うんだよ」

「一生言い続けます」

 その返しに、兄は呆れたように息をつきながらも、口元には笑みが浮かんでいる。

 ……やっぱり、この二人、なんだかんだ仲いいよね。
 そんなやり取りを見ていると、自然と私も笑みがこぼれた。

 ふと視線を感じて目をやると、流斗さんがこちらを見ていた。

「唯さん、これ」

 彼が小さな細長い箱を差し出してくる。

「え? これ……」

「クリスマスプレゼントです」

 私は目をぱちぱちと瞬かせ、少し戸惑いながら箱を受け取った。

「なっ……おまえ、性懲りもなく……!」

 兄が流斗さんを睨みつける。
 しかし、流斗さんは涼しい顔で軽く肩を竦めた。

「何を言っているんですか。プレゼントくらい、いいでしょう?」

「何だよ、それはそれ、これはこれってか」

 二人が軽く口論を始める。
 そんな彼らを横目に、蘭がプレゼントに興味津々で身を乗り出してきた。


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