義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

「なになに? 唯ちゃん、ネックレスと指輪もらったの?
 すごい、さすが私の娘ね~、モテモテじゃない!」

 いつの間にか背後にいた母が、ぎゅっと抱きついてきた。
 その声も抱擁も、やけに嬉しそう。

「ほんとだよ……唯は可愛いから、父さん心配だなあ」

 父の情けない声が頭の上から降ってきて、そのまま私と母ごと抱きしめられる。

 驚いたけど――その温もりが心地よくて、自然に頬がゆるんだ。

「もう、何言ってんの」

 そう返したら、みんなが一斉に笑い声をあげる。

 ――こうして。
 人生で一番幸せなクリスマスが、静かに過ぎていった。


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