義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 しばしの沈黙のあと、父がふっと柔らかな笑みを浮かべた。

「まあ、今考えても答えは出ないだろうし。これからの経過を見守りながら探っていこう。
 きっと法則が見つかれば対策もできるよ」

 はは、また能天気な……と、あきれる。
 でも、その父の笑顔に、不安が和らいでいくのを感じた。

 大丈夫、という気持ちにさせてくれるから不思議だ。

 まだまだわからないことだらけで、不安は尽きないけれど――。
 それでも今は、皆を信じてみよう。信じて、任せてみよう。

 そうすれば道は開ける。……そんな気がするから。

 私は父に、そっと微笑みかけた。

「うん、わかった。ありがとう」

 すると、横から強い視線を感じた。
 そっと振り向くと、真剣な瞳がまっすぐに私を射抜いた。

「俺が……守るから」

 力強く告げた兄が、そっと私の肩を抱き寄せる。

 トクン……胸の高鳴りと共に、奥がじんわりと熱くなった。

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