義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 私は蘭を席に座らせ、自分もその後ろの席に腰を下ろした。
 何を隠そう、私たちの席は前後なのだ。

 蘭が前、私が後ろ。

 さっそく振り向いてきた蘭が、興奮した様子で声を弾ませる。

「ねえ、お兄さん素敵だった〜。いいなあ、唯は。毎日あの咲夜さんを拝めるなんてさ」

 斜め上を見つめ、手を組み祈るような格好でうっとりする蘭。
 その姿に苦笑しつつ、愛想笑いを返した。

「まあ……うん」

「あれ? なんか元気ない?」

 さすが親友。
 微妙な変化をすぐに察知する。

「そうだね、ちょっといろいろあって疲れちゃった」

 溜息まじりに答えた。

「えっ、なにそれ! 聞かせなさいよ」

 蘭が興味津々な様子でぐいっと身を乗り出してくる。
 これはもう、聞き出す気満々だな。

 私は観念して、昨日から今日にかけての出来事を語り始めた。

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