【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
 昔から面倒見のいい彼は、柊兄と同じくらいに心配性でもあって結構強引なところがある。でも、今日ばかりは、ちょっと待って欲しい。心が追い付かない。


「おお! 来たか、奏一(そういち)! やっぱり親友はお前のことだったか。見ないうち男の色気まで身に着けやがって~」
「まぁまぁ、芸能人顔負けだわ……」


 ミーハーな都叔母さんが、安叔父さんの言葉につられてやってきて、目をハートにして奏君を見上げている。久しぶりの再会に、二人はとても嬉しそうだ。
 そして、店内のあらゆるところから、奏君は熱っぽい視線を注がれていた。

 ――この人気ぶり、昔から変わらない。

 背が高くて整った顔立ちの奏君は、どこに行っても視線を集める存在だ。


「そんな事ないですよ。今日は楓のことを早く休ませたいので、失礼しますね。後日またゆっくり顔を出しにきます」


 奏君は爽やかに謙遜し、私の肩を抱くと「いこう」と微笑んで、『ひとやすみ』をあとにした。

 ――何でこんなことになってしまったのか……。もう、会うつもりはなかったのに……

 

◇◇◇
 

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