【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
 九条(くじょう)奏一(そういち)こと奏君は柊兄の親友で、私の初恋の人だった。
  彼と最後に会ったのは、彼が仕事でフランスへの赴任が決まった七年前のこと。
 私は半歩前をいく彼のスーツの広い背中見つめながら、出会った日のことを思い出す。

  初めて会ったのは幼稚舎にいた4歳のとき。
 当時、小学校で柊兄と意気投合した彼がうちに遊びに来たときだ。
 その整った顔立ちに幼いながらも見惚れてしまったのをよく覚えている。

 品のある佇まいと、優しい笑顔。本当に王子様みたいだった。
 でも、王子様だと思ったのは最初だけで。柊兄に連れられ頻繁にうちに遊びに来るようになった奏君は、年の離れた私とも名前で呼び合い、気さくに遊んでくれた。

 自信家で意地悪なところもあったけれど、優しく勉強を教えてくれたり、転んで怪我をしたときには丁寧に手当てをしてくれたりして、私が彼に恋に落ちるまでにそう時間はかからなかった。
 両親たちの間でも彼は家族同然の存在となっていって、叔父さんや都さんとも顔を合わせる機会が多く、顔見知りとなった。
 そして、当時の私と彼は、同じ方向の夢を志していた。


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