【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
 だけど、歳を重ねるにつれ、私の奏君への気持ちは苦しくなるほど募っていった。


『奏君が、好き……』


 この関係性を壊したくない私は、必死でこの気持ちを隠した。けれども、彼のおかげで 大学に合格した十八歳のとき、抑えられない気持ちが口から溢れてしまった。言うつもりはなかったし、今思えば黒歴史だ。
 案の定、当時二十三歳で霞が関に勤務していた彼にとって、私はただの子供だったのだけれど。


『ん? ……何か言ったか?』


 頭をポンと撫でられ、完全に?幼馴染の妹?としての対応。
 聞こえないフリをして、一線を引かれたのだと思った。そばを通った車のせいとも思えなくもないが、そんな都合のいいことはないだろう。
 私は、この関係を壊し二度と会えなくなるくらいなら、この思いを秘め妹として彼のそばにいたいと思った。
 甘んじて、この先も妹であり続けることを、受け入れたのだ。
 
 ――でも、それは間違っていた。
 
 両親が事故で他界し、環境が変わったあの頃。私は、思わぬ形で彼の本心を知ってしまった。


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