【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
「――でも、よかったよ……元気そうで」


 彼の考えていることが分からなくて、複雑な気持ちになっていると、奏君は車を走らせながら突然そんなことを言う。


「え?」


 目を瞬かせた。


「……彼氏と別れたんだろう?」


 ハッとした。浩太には悪いがさっきのは、奏君と再会という衝撃により、すっかり頭の片隅に追いやられていた。もちろん、許せないし怒りや悔しさは込み上げてくるが、不思議と気が滅入るほど悲しんでいないのだ。三年も交際してひどい女だと思われるかもしれないが、あんな乱れ切った場面に遭遇してしまっただけに、浩太から心がスッと離れたのを感じている。それより心配なのは――


「別れたよ。確かに別れたけど、今は、それによって柊兄のことの方が心配になってるかも……」
「柊……?」


 ――奏君なら、いい助言をくれるかもしれない……

 本音を言えば、ずっと彼に相談できたらいいのにって思っていた。
 私は、心配そうに私を見る奏君に、ここのところずっと悩んていたことを打ち明けた。


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