【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
『楓をどうしても一人にしたくないんだ。悪いけどこれは俺のワガママ。とはいっても、そう遠くないうちに結婚するかもしれないと報告を受けたんだ。そしたら俺たちも――』


 交際三周年記念で、浩太が挨拶を匂わせていたことを伝えてすぐのことだった。そんな嬉しそうな電話口の会話が聞こえてしまったのだ。


「それを聞いて、柊兄は私が結婚して家を出るのを待っているんだって、気付いたの。……私、柊兄には早く幸せになってもらいたい。だから出来れば、今回のことは知らせないで、うまくやり過ごせたらなぁと思っていたの。少なからず気落ちしてしまうだろうし……叔父さんが言っちゃったとは聞いたけれど、どうにかできないかなぁって思ってる」


 静まり返る車内に、私の声が響く。
 車はいつの間にか私の住むマンションの近くのパーキングに停車していて、奏君は真剣な眼差しを向けて聞いてくれていた。
 柊兄は、昔から心配だと言って、一人暮らしを許してくれなかった。結婚や同棲を理由にしなければ、家を出ることは敵わないだろう。

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