【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
「とりあえず、楓はとんでもないクズ男に引っ掛かっていたっていうのがわかった。――だが、そんなこと真に受ける必要はない。楓のせいではないだろう」


 奏君は私の頭に手のひらを乗せると、優しい口調で言った。


「奏君……」
「悦く思えないのは、君がオーガズムを感じないからだろう? 自己本位のセックスをして女性のせいにする男なんて相手にする必要はない。むしろ、そんな男に楓は勿体ないし、渡せるか!」


 おもむろなワードに頬が熱くなるのを感じながらも、傷口を労わるような温かい言葉にふるりと視界が緩みそうになった。
 私を見つめる眼差しは、これ以上なく優しい。そしてどことなく熱が孕んでいるように感じる。そんな風に見つめられたら、勘違いしてしまいそうになる。


「……俺なら、絶対に楓をそんな風に傷つけたりはしない。問題があるならふたりで解決したいと願うし、ひとりで悩ませたりしない。ベッドの上だって、君を形無しに蕩かして俺しか見られないように甘やかしてやる……」


 誘惑するような響きが続いて、お腹の奥がじわりと熱を持つような感覚が走った。
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