【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
「俺はこの先どんな楓を見ても幻滅したりしないし、むしろ愛おしいと思う。なにより俺には、楓をベッドでグズグズに可愛がってやれる自信がある」


 形のいい薄い唇が、今度は妖しく弧を描きゾクゾクした。


「……試してみる価値は、あると思わないか?」


 奏君の真摯な眼差しが、私の心の真ん中を射抜いていく。
 ……自信家な彼の、突拍子のない提案だと思う。普通なら「冗談でしょ?」と頭の正常さを疑うレベルだろう。でも、こうして真剣に考えてしまうのは、今まで彼の言うことになにひとつ嘘が無かったからだ。

 小学校の駆けっこで一等賞を取ったらハグしてくれるっていう約束も、苦手な数学のテストで満点を取ったら一緒にクレープを食べに連れて行ってくれる言う約束も。どれもこれも、奏君のことが大好きだった私のささやかなお願いだった。けれど、奏君はどんなにバカげた事でも無下にせずに、ぜんぶぜんぶ守ってくれた。
 七年前、彼の本心を聞くまで、私は沢山彼に甘えていたと思う……

 ――こんなの、よくないってわかっているのに……

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