【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
 説明のつかない何かが、固く閉ざされていた心を、真っ直ぐで熱い言葉とともにするりと解きほぐしていくのを感じた。
 頬にあった奏君の手が、答えを催促するように私の唇にするりと触れる。しばらく見つめ合ったあと、私は小さく頷いた。


「……わかった。奏君の提案を……その、受けることにする。……その代わり、私がダメだったとしても、嫌いにならないでくれる……?」


 おそるおそる確認する私を見て、奏君は花が綻ぶように笑った。


「なるわけないだろう。大丈夫だ。俺にすべて委ねろ――」


 人形みたいに綺麗な奏君の顔がゆっくりと近づいてきて、そっと唇同士が合わせられる。
 唇が触れ合うだけで、心が震えたような気がした。まるで初めてキスをしたみたいに、触れ合った箇所を通して甘くむせ返るような心地が胸を占める。


「……俺の部屋に行こう。ゆっくり可愛がりたい」


 意志を確認し合うように何度か口付けたあと、奏君が耳元で囁く。また、お腹の奥が熱くなる気配がした。

 ――なんだか、体がいつもと違う……

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