【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
 国際協力機関に所属しているご両親は、海外出張にいくことが頻繁で、叔母の都さんや安さんがご両親に変わって木下家にいることも少なくなかった。
 だがみんな俺を温かく迎えてくれた。


「奏君は、パパ役ね。楓はママで、柊にぃは赤ちゃん」


 楓ははじめこそ緊張していたが、物怖じしない明るくてとても真っすぐな子供だった。
 俺にもすぐに懐いて、宿題を終ったころを計らい「遊ぼう? そうくん」と混じってくるようになった。


「ええ~! やだだめ反対! なんで奏一と楓が夫婦なの? パパとかいらないよ? 配役は兄と妹と赤ちゃんで良くない?」
「……俺を赤ん坊にしようとするな」


 若干、シスコン剥き出しの柊に困ったりはしたが、それもまあいい思い出だ。
 兄弟姉妹のいない俺は、初めこそ戸惑ったが、無邪気で可愛い楓に夢中になるのはすぐのことで、気づけば楓は俺にとっての一番の癒しになっていた。
 柊との遊びに混ぜてやったり、小学校に上がってからは宿題を見てやったり、怪我をすれば一番に駆けつけてやったり。
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