【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
 彼女の通う学校に何度も迎えに行って周囲を牽制しただが、他校までは難しい……彼女からの報告を聞いて、心で盛大に舌打ちをした。

 ――楓が誰かと交際する? そんなの許せるわけがない。


「はじめてで、ビックリしちゃったけど、みんなこうやって彼氏ができるんだね」


 幸い、楓のほうは手紙の相手に何の感情も抱いてないようで告白は断ったようだが、急にそんな自分の手を離れていってしまうようなことを言われ、俺は言いようのない焦燥感に心が包まれた。

 なんだ……この気持ちは。


「奏君だって、彼女のひとりやふたり、いるんでしょう?」


 突然話の矛先が俺に向けられて、少しばかり動揺した。


「俺……? 今はいないが――」


 ふたりは余計だが、もう二十一歳を迎える身だ。

 目を引く外見だと自覚もあり、これまでに何度か女性から告白されて付き合った経験もある。ただ、それを楓に話す気にはなれない。

 なんせ、歴代の交際相手はみな、ふた月もしないうちに口を揃えて言い出すのだ。

『楓ちゃんと私、どっちが大切なの!?』

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