明治、一目惚れの軍人に溺愛されて
「……ありがとうございます。」
見つめ合ったまま言葉を交わしたその時、母の声が割り込んできた。
「あら、雪乃。それは……」
母の視線は、私の肩に掛けられた軍服へと向けられていた。
桐島中尉はすぐに姿勢を正し、深く一礼する。
「雨に濡れては大変かと思いまして。」
「まあ……貸してくださったの?」
「はい。」
母は目を細めて微笑んだ。
「優しい方ね。」
その一言に、胸が高鳴る。
母まで彼を気に入ったのだ。
それが嬉しくもあり、同時にどうしようもなく恥ずかしい。
外へ出ると、雨雲はすでに切れて、澄んだ青空が広がっていた。
私は肩から軍服を外し、名残惜しさを押し隠して両手で差し出す。
「……ありがとうございました。」
彼は静かに頷き、受け取った。
その瞬間、まだ残っていた温もりが離れていくようで、胸の奥がきゅっと締めつけられた。
見つめ合ったまま言葉を交わしたその時、母の声が割り込んできた。
「あら、雪乃。それは……」
母の視線は、私の肩に掛けられた軍服へと向けられていた。
桐島中尉はすぐに姿勢を正し、深く一礼する。
「雨に濡れては大変かと思いまして。」
「まあ……貸してくださったの?」
「はい。」
母は目を細めて微笑んだ。
「優しい方ね。」
その一言に、胸が高鳴る。
母まで彼を気に入ったのだ。
それが嬉しくもあり、同時にどうしようもなく恥ずかしい。
外へ出ると、雨雲はすでに切れて、澄んだ青空が広がっていた。
私は肩から軍服を外し、名残惜しさを押し隠して両手で差し出す。
「……ありがとうございました。」
彼は静かに頷き、受け取った。
その瞬間、まだ残っていた温もりが離れていくようで、胸の奥がきゅっと締めつけられた。