明治、一目惚れの軍人に溺愛されて
「あっ、この茶屋。アイスクリームが美味しいんですよ。」

桐島中尉がふと足を止め、振り返った。

「時間があったら、食べて行きませんか?」

その誘いに胸が弾み、嬉しさを隠すように俯いてしまう。

「……はい。」

二人で店に入り、並んで席に着いた。

「アイスクリームを二つ。」

注文すると、すぐに器が運ばれてくる。

白く輝く冷たい菓子を前にして、思わず首を傾げた。

「これは……何味なんですか?」

「バニラですよ。」

桐島中尉が笑みを含ませながら答える。

「ばにら……?」

初めて口にする響きに戸惑いながら繰り返すと、彼は優しく頷いた。

「ええ。甘い味がします。」

匙を差し入れて一口すくう。

冷たさと共に、ほのかな甘みが口いっぱいに広がった。

「……本当に、甘い。」

横を見ると、桐島中尉も同じように微笑みながら味わっている。

それだけで、胸の奥がさらに温かくなった。

――このひと時が、いつまでも続けばいいのに。
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