明治、一目惚れの軍人に溺愛されて
「なるべく早く……夢が叶うようにする。」

志郎さんの言葉に、私は悟った。

――このまま彼は、自分の気持ちを押し殺すつもりなのだ。

「ああ……」

切なくなり、私は立ち上がった。

震える手で着物を脱ぎ、脱いだ肌着で胸元を押さえる。

「雪乃……!」

志郎さんの瞳が大きく揺れる。

「私、嬉しかったんです。志郎さんが……私を求めてくれて。」

恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じながらも、必死に言葉を紡いだ。

その瞬間、彼は立ち上がり、自らの軍服を脱いで私の肩に掛けた。

「風邪を引きます。そんな姿を……誰かに見せるものじゃない。」

軍服の重みと彼の体温が、全身を包み込む。

けれど、どうしても確かめずにはいられなかった。

「……それとも、私とは遊びなのですか。」

震える声で問うと、志郎さんの顔が苦しげに歪んだ。

瞳に宿るのは欲望ではなく、真剣な愛情。

「違う……雪乃。俺は、本気で君を――」

その言葉の続きを、私は息を呑んで待っていた。
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