明治、一目惚れの軍人に溺愛されて
お互いに衣を脱ぎ捨て、初めて素肌を合わせた。

ぴたりと重なった温もりに、胸が高鳴る。

「最初は痛みがあるかもしれない。でも……優しくする。」

志郎さんの低い声が耳元で囁く。

「……はい。」

震える返事のあと、彼の熱が私を満たしていった。

思わず体がこわばり、吐息が漏れる。

「雪乃……これで君は、俺の妻だ。」

その言葉に涙がこぼれそうになる。

一度、二度と、彼が動くたびに、痛みの奥に甘い感覚が広がり、体の芯まで熱に染められていく。

「……ああ……」

声を押し殺しても、どうしようもなく零れてしまう。

志郎さんの手が私の腕を取り、そっと囁いた。

「雪乃……俺に、しがみつけ。」

言われた通りに腕を回すと、彼の体がさらに近づいた。

もう一片の隙もなく重なり合い、二人は完全に一つになった。
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